2007年1月19日金曜日

銀座ぶらぶら

今年は、なぜかもう三回も 銀座に行ってしまった。歌舞伎とギャラリー、展覧会に行ったのである。
時間が経ってくると思ったことも書けるようになるので、(大抵その頃には、その会は終わっている・・・のが、欠点。)今回は銀座松屋デパートで催された、池田重子さんの「コレクション 日本のおしゃれ展」から。

会のかなり重ねているので、逸品のすばらしいものとあまりよろしくないものが混ざっている。
あまりにも、装飾過剰な着物や、今の時代に伝えるべきものとして展覧会に出すのはどうかというものと、「これは!」という逸品が一緒に陳列されているのが残念であった。

池田重子さんといえば、今のアンティーク着物ブームをつくった人。もちろん、会を重ねるほど、いいものをいつも揃えるのがどれほど大変かはわかる。しかし、まだ着物に興味を持ちだした人も来られるのに、あまりどうかと思うものを出すのは、池田さんの美意識と反するのではと思った。急いで間に合わせで用意したのかな、というものもあった。
展覧会という場でそれなりにディスプレイすれば、格好はつく。ファンの方が多くなったのでなんとかしなければいけないのもわかるけれど、せっかくの逸品がそれらの中にうずもれていること、そしていいものをたくさんの人が観られるようにしてほしいと思う。
とはいえ、あれだけのコレクションを展示し、また着物をボディに着せつける展示で、帯や小物と合わせて実際に着用したときの感じを出す展示は見る価値はあると思う。

会場の外で着物の催事もおこなっていたけれど、これは松屋デパートさんの考えもあっての事だろうけど、あんまり悲しくなるようなものを並べると、池田さんの展覧会自体の価値が落ちてしまうと思う。商売だから仕方ないといえばそれまでだけれど、本当にもうすこし松屋さんにもプライドはないのかな、と思ってしまった。アンティーク風に退色、色焼け風にした新品の着物というのは、決してきれいなものではない。
衣装というものは、その着手を美しくみせなくてはいけないのに、これらは本当に美しくみせるのだろうか。

それから書家の篠田桃紅さんの描いた帯を展示するときに、横に「国際的前衛書家、篠田桃紅さん」というような紹介をしてあって、こういう紹介の仕方は、篠田さんのような人にはふさわしくない気がした。

それでも、ため息がでるような佳いものがあるなかでも、人形平田郷洋さん作の嘆いて身を投げ出している女性の裸像がとても良かった。池田さんの秘蔵の品だそうで、観にきたかいがあったなあと思った。

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