2007年3月23日金曜日

松阪へその2


と、いうわけで多気という駅にて下車。地図を忘れてきたので、確か川ぞいに歩いて最初の橋にでたら、渡っていけばつくな、とのんびり歩き出しました。

でも最初は川が見えなくて、不安になり、畑に出ていた女の人にお寺の道順を教えてもらい一安心。その女の人のしゃべりかたがうちの曾祖母にそっくりなので、ものすごくなつかしくなってしまいました。

川にそって歩いて、橋を超えると、今までは畑ばかりだったのが、黒塗りの商家のような家の町に出ました。ここがお寺のある中万町。いきなり、こんな町並みが現れるとびっくりします。そこを10分くらいかかってお寺に到着。

私は、お寺の人にお布施だけ渡して勝手にお墓まいりしてさっさと帰るつもりでした。ところが、住職さんが、「このあたりはお墓が二つあるんだよ!大変だから連れて行ってあげる」と言われました。
お墓が二つある、というのはひとつは山の方へ土葬して、もう一つはお寺の裏に墓碑だけのお墓を造るんだそうです。かなりカルチャーショック。初対面の住職さんといろんなところに行くのも緊張しそうなのですが、この方がとっても味のある今東光みたいなお坊さんなので、おまかせして付いて行く事に。

で、まず山の方のお墓へ連れていってもらいました。(写真の仏様は、山の方のお墓のもの)こういう小さなお墓が三つ並んでいて、ここがうちのお墓なんだそうです。住職さんが「あんたんちは、この仏さんんに正徳2年って彫ってあるから、300年以上ここに住んでいたんだよ」と言われ、感動しました。
私の家はほんと、どこから来たんだかわからない人ばっかりなので、「ここが自分のルーツなのかあ・・・。」と感慨深かかったです。

二つお墓があること以外に変わっているのは、このあたりでは、お墓にお花をおそなえしないで、お樒(しきみ)という常緑樹をお供えしていること。どのお墓にも緑色のお樒が供えてあって、緑一色なのがすがすがしかったです。


それからお寺の裏のお墓にもおまいり。お墓が二つあるって不思議ですね。でも、この日は朝からとてもいい天気で、初めてきたところにもかかわらず、自分のルーツのせいか、なんだかほっとしました。住職さんとしっかり話しも盛り上がり、本堂でお経まであげてもらい、帰りは、電車の本数の多い松阪駅まで車で送ってもらって「またいつでもおいでー!!」と言われ、楽しく帰ってきたのでした。

2007年3月14日水曜日

松阪へ

せっかく名古屋に行ったのだから、三重の松阪に行く事にした。名古屋は母方の実家なんだけど、松阪は父方の祖母の両親の出身地なのです。
私の家は、いろいろな地方からの寄せ集めのような家で、何百年も住んだ土地というのは、この松阪くらい。(といっても、ただの普通の家ですが。)祖母のお兄さんや父親は戦争の時にみんな亡くなって、跡を継ぐ人がいなくなって、遠縁の人が今は養子になってお墓を守ってくれるらしいです。
祖母は直接その人とのおつきあいはないけど、いつも楽しそうにお寺のお坊さんや大黒さんとしゃべっているので前から行って観たかったのです。私だって、一回くらい何百年か前から、ご先祖が住んでいた所に行ってみたいのです!!

東京からはあまりにも遠いので、手術後の祖母は、なかなかお墓参りには行かれなくなってしまいました。私は知らないところに旅行に行くのがすきなので、せっかく名古屋にいるんだから、足を伸ばして松阪まで行ってみることにしました。
祖母からは、「松阪のチュウマというところのシンコウ寺よ。」と電話でききだしました。
名古屋のおじと地図を見て、松阪のあたりを調べると、ようやく発見。チュウマというのは中万と書くのです。お寺の名前は、心光寺。こういう風に地図とにらめっこして、見つけたところに実際にでかけるというのは、いつも私にとってとても楽しい瞬間です。

この中万のあたりは、東京とは雰囲気の違う地名がかなりあって、多気(たき)とか相可(おうか)とか眺めるなだけでも面白い。でも、どうやって行くのでしょう。利用客が多い伊勢に行く電車では、方向が少し違うようです。

時刻表をおじが持ってきてくれて、名古屋駅からの経路を調べます。近鉄かJR線に乗って松阪に行って、乗り換えて多気という駅からいくのが一番近そう。それでも、駅から川に沿って歩くと、30分くらいはあります。せっかくだからのんびり歩いて出かけることになりました。
おじとおばが地図を見て、
「伊勢の北のへんにあるがね。たぶん山に囲まれたのんびりしたところだよ」と言われて、朝早く出発したのでした。

2007年3月9日金曜日

おこしもの

ちょうど、2月の末に名古屋に行ったので、お雛様のお菓子がありました。これはおこしものと言って、お米の粉でつくる、おもちがいくぶんあっさりしたようなものです。
自分の家で作るところも多いと思いますけど、うちでは、作る事はなく、近所においしいお餅屋さんがあるのでそこから買ってきます。これを焼いて、砂糖じょうゆをつけて食べるのです。味はというと、「素朴」という言葉がぴったりです。

私が小さい頃は、東京まで宅急便でおばが送ってくれていました。その頃は、もっと色もカラフルで、車とかロボットなんかもあったけど、これはおひなさまや鯛やお花の形がかわいい。なんだかこれを食べると「春だなー!」という気がします。

ちょうど、尾張に住んでいる親戚のおばさんが、家で作った、特大の菱餅を持ってきてくれました。こちらは、本当のお餅に食紅などで赤、黄、緑の色がうっすら付けてあります。

私は名古屋で育ったわけではないんだけど、母と一緒に年に2回は必ず帰っていたので、大きくなって一人になっても、しょっちゅう遊びに行かないと気がすまないのです。友達がいるわけでもないんだけど、私が一番ほっとできるところです。

2007年3月8日木曜日

思い立って

先週は、名古屋に帰ってきました。去年の夏以来です。
来月に入ると自宅以外での仕事が増えるので、今月はぜひ行かねば!!と急いでいってきました。
これから、ちょっとずつ書いていきます。

主に母方のおじとおばの家にいたのですが、今回は足を伸ばして、日帰りで三重の松阪に行ってきました。ここは父方の祖母(いつもこのブログに出てくる、変わった祖母です)の両親の出身地なので、ぶらり。

それから、名古屋市内のちょっとマイナーな史跡などを観てきました。
大好きな、むらさきやの和菓子も思う存分食べて、満足して帰ってきました。

印象に残っているのは、とても美しい朝焼けをみたこと。朝、家で起きて東の空を見ると、ちょうど日の出の頃。
緑青のような空に、なんともいえない赤い雲が縦にいくつもはしっていて、「曙の光」というのは、まさにこの事なのかと思いました。いわゆる朝焼けの空の色とはまったく違う、生まれてはじめてみるものでした。

とても私には写真に撮りきれないので、いそいで、雲の形だけスケッチ。えんぴつしかないので、あとは眼にしっかり焼きつけてきました。
いそいで、おばを呼びに行くと「ああ、朝焼け?いつもこんななのよ。」とあっさり。仕方ないのでまた一人で、空をながめようとすると、もう空の色は変わって、ごく普通の朝焼けの空に。たった5分くらいの出来事でした。