2009年10月31日土曜日

『“BLOW THE NIGHT!” 夜をぶっとばせ』

ストリートスライダーズのライブシーンのあるこの映画、興味はあったが観る機会がありませんでした。
ファンの間では、全然映画とスライダーズが合ってなくてつまんないという評価。

先日高円寺の80'sバーのマスターから貸してもらいました。
観たら結構面白かった。河合かずみやなぎらけんいちや渡辺えり子出演。

確かに、スライダーズやその雰囲気を期待して観ると、つまんないと思う。スライダーズのライブシーンは、それはそれとしてみる。映画は、映画として観る、これがベストです。

舞台は栃木県足利市、原種ヤンキー映画。濃いヤンキー。『リリィ・シュシュのすべて』でも登場した、JR足利駅もばっちり映ってます。積み木くずしな、ヤンキー達登場。昔のヤンキーは、みんなおっさんくさい、おばさんくさい。
足利ヤンキーと三多摩出身のスライダーズでは全く噛みあわないわけです。なんか風景や雰囲気が違う。(これが三多摩ヤンキー映画だったら、もう少し調和したかも)でも足利や群馬もヤンキーさんはすごかったらしいので、その雰囲気は味わえるかな。

あの80年代前半の暗くて、蛍光灯がぴったりの日本の青春がよーく出てました。

もちろん、頬がふっくらした頃のハリーも素敵でした。借りてよかった。

2009年10月18日日曜日

『愛人日記』(La Note bleue)

大好きな映画。アンジェイ・ズラウスキー監督、1991年製作。邦画タイトルは『ソフィーマルソーの愛人日記』(監督のパートナーがマルソー)、とゆうまぬけな名前がついてます。

ショパンとジョルジュサンドとサンドの娘が主な登場人物。フランスのノアンにあるサンドの館が舞台で、様々なお客人が滞在しているサロンのような館。
なぜか突拍子もなく、パーンやバッカスみたいなものが出てきたり、白や赤の裂をかぶった土地の妖精みたいのが出てきて、ワケわからず最高。
何年かのできごとを圧縮した作品なのに、ちっとも無理がない。

最後のシーンがまた好き。ショパンやサンドなど登場人物が突然、配役から演じ手に戻り、登場人物の行く末を語って暗闇に消えていく。栄枯盛衰。盛者必衰。なんとも無常を感じるシーンです。

私はこの映画が観れば観るほど好きになって、いろいろネットで評価を検索したんだけど…。あまちいい評価はなし。
脈絡がなくて、自由でいい映画なのにー!

土曜の夜

西荻ののみ亭にライブへ。友人Y嬢イチ押しの熊坂路得子ちゃんソロライブ。

佳く内省された彼女が演奏しだすと、そこに解き放たれるものあり。それがいいんです。

ライブ後、みんなで映画の話になりました。
不条理な映画のよさ。
不条理な映画、唐突な映画、私も大好きです。「ソフィーマルソーの愛人日記」(ズラウスキー)「英国式庭園殺人事件」。その不規則さが、私の精神を解き放ってくれます。

ちなみに「4分間のピアニスト」がおすすめだそうです。早速借りてみます。

2009年10月16日金曜日

青いりんご



師匠からまたりんごをもらう。富山のりんご。
形がすごくいいのです。

2009年10月5日月曜日

おそれの正体

最近わかってとてもほっとした事。
人間にとっての恐れとは、自分には想像もつかないという事自体が、恐れになるという事だ。

なにかの週刊誌の何気ない記事に書いてあったこの文章、私は「本当にそうだよねー」と深くうなずいてしまった。

私はすごく怖い事が二つあった。
一つは、自分にとって大事な人が必ずいなくなるという事。
もう一つは自分はいつか拷問されてすごく苦しんで死ぬという恐怖。こっちは、こういうシーンのある本や映像を見ると、気持ちがズーンと重くなってくるのだ。
二つとも子供の頃からずっと恐怖だった。

一つめのは、小さい時から母親があと何年かで死んでしまう予感がしていて、本当に死んでしまってから更に恐怖になってしまった。でもこれはその後の経験がいい薬になった。どんな人ともいつかは離れていく時があって、その時におびえるよりも、それまでの関係を大事にすればいい。

もう一つの恐怖は、やっぱり経験。大怪我したり、大変なめに遭い、すごく痛く苦しくても、なんとかなる。その時の辛さ・痛さのほうが、いつか来るその辛さにおびえているよりは楽なのである。
「すごい痛いけど、恐怖していた時のほうがよっぽど怖かったな」と思うことが何回かあって、この恐怖はだいぶ克服した。

今日、こんな事をここに書いているのも、自分の恐れを少しでも軽くしたいからです、実は。

幽霊の
正体みたり
枯れ尾花