2010年3月31日水曜日

意図と意匠

今日は工芸の仕事に行く。
作品展が済み、出品作品の整理。

上司が額装された額をみていた。中に工芸品を額装してある。
小さくて少し変わった額である。私もこの額の販売先を聞き、これを活かし、中に額装する絵を描こうと決め、イメージを考えていた。



上司いわくこの作品は、額のデザインに頼り、中身の作品はまにあわせのものを入れている、とのこと。この額の意匠を生かし、作品もそれにつりあうようなものだと、印象に残る佳いものになるとのこと。(確かに、可もなく不可もなく、というか、無計画な感じはする。)

だからその言葉、とても後から心に残った。 釣り合い、活かす、…。佳いものをつくるのは至難です。

2010年3月28日日曜日

偲び草

今朝、海外にいる友達から電話がありました。
東京滞在時の電話からの発信なので、「先月も帰国したのに、なんで東京発信の電話?」と電話をとったら、今東京にいるとの電話。

彼女のおばあさんが突然亡くなり、今東京にいるとの電話。おばあさんはたしか96歳くらい。
先月愛用のローライで撮影の個展があったばかりです。

本当に素敵なおばあさんでした。高校生の時、初めてお会いして、何度会ってもまったく年を取らない。最後にお会いした3年前に、民藝づくしのお宅でおいしい手料理をふるまってもらって素敵な時間を過ごした。最後にコーヒーを淹れ、バーボンを垂らして下さったのが「粋だなあ」とさらに感激。

おしゃれで料理が上手く、いい写真を撮る、素敵な感性の人でした。

いなくなるはずの、ずっといるはずの人がいなくなるのは、本当に寂しい事です。
「先月は、とても元気だったのに」と泣く彼女。

私は、あの素敵なおばあさんと会って、年をとることがちっとも怖くなくなったので、せめてこの様に偲びたいと思いました。

2010年3月7日日曜日

メレンコリア

何気ない先方の言葉に傷つく。
お互いの価値観の違いとはわかっているけれど。日を置いてじわっとショックが押し寄せてくる。

違った価値観を受け入れ、話を聴いてくれる人に感謝。
私も人の話しをきちんと聴ける人になりたい。

ところでデューラーの「メレンコリア」 という作品が面白く、飽かず眺める。当時の哲学、科学、宗教観を図象化しているらしい。でもどっちかというと、デューラーの頭の中の面白いものをひっくりかえして描き立てたような作品です。

デューラーは、聖人の体から放射線状の光が出るのを発明したそうな。光とか風とかを図蔵化して、かなり漫画的な人のよう。「メレンコリア」という割には結構おかしみのある作品。

仕立て

3月の会に着る着物の仕立てを頼みに行く。

生地は人からのいただきものだが、色と柄行が好みでない上にその他諸々あまり気乗りしなかった。
自分の手持ちで着たいものもあったが、今回はこれを着て出なくてはいけない。そういうのは気が重く、やっと注文に行く。

仕立て屋さんで、これは生地もよくて、あなたによく似合う色ですよと言われ、気持も変わる。
自分では選ばない濃色のもの。

仕上がりを待つのが楽しみになった。