2010年11月28日日曜日

どうしようもない猫の話

祖母宅に、18歳の猫がいる。
近所に祖母は一人暮らしをしている。

その二階の使ってない部屋に引きこもっていた猫がいる。
祖母は一日のほとんどを一階で過ごしている。
えさをやりにだけ、二階に上がっていた。

一切人に馴染まない猫だったが、動物も年老いると独りではいられなくなる。
一年くらい前からさびしくて一階に降りてきた。

たしか若い頃は美人猫だったけど、
ひたすら引きこもっていたせいか、あまりにも変わり果てていた。

その姿は痩せて餓鬼のようで、顎と前足には瘤がついて、膿と鼻汁でべたべた。
下半身が骨と皮だけで、たぶん腎臓がダメになっていて、
もう死相が半分出ているような猫になっていた

手を出すとひっかいてくるのでろくに触れない。
他人と接していないせいか
少し頭もヘンだった。

それでもだんだん馴れてきて
世界一醜いけど、なんだか可愛げもあるなあ。
などと思っていたら
突然老衰で死んでしまった。
もういつ死んでもおかしくない様子だったから、まあしょうがないなと思えるかと思ったら、
ちっとも思えない。

今までいろんなペットが死んで、自分になついているのもなついていないのもいた。
それぞれにどれも悲しかった。

でもこんなに汚くて迷惑で、モンスターみたいな猫が死ぬのが
こんなに寂しいとは思わなかった。

どうしようもないこんな猫を思いながら、献杯。

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