2009年3月16日月曜日

名前の付け方

私の働いている店は古いお店なので、品物にすてきな銘がついています。
「関の戸」とか「白鷺宝」とか「芝舟」、「老伴」とかそんな感じのです。ロングセラーの品だけでなく、新発売のものにも銘がもちろんついてます。

よく「どんな意味があるんでしょう?」って聞かれ、由来を教えると、すごく深く解釈してくれる人が多い。でも本当は、「今回は松の字を入れたい!!」「水に関するいい銘ないかな」なんて動機があるくらいで、あまり意味なんてないんです。
あまり思い入れのある名前をつけちゃうと、さらりとしていない気がします。

銘を付ける時に、いちばん強い味方は広辞苑。例えば「松」って広辞苑をひくと、松に関する知らない言葉がいっぱい載っているのです。よーくみると、一つくらい気のきいたいい言葉がある。さすがは広辞苑です。辞書のいいところで、お隣の言葉でいいのがあったりする。

それが商品になったりします。
日本の言葉は奥ゆかしいものが多いです。「長生殿」「唐衣」「薄氷(うすらひ)」「蘇峰の梅」「州浜」「花くらべ」…。みんな和菓子の名前ですけどね。

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